家族の加入

一定の条件(収入や生計維持関係など)を満たしている被保険者の家族も、「被扶養者」として健保からの給付を受けることができます。

被扶養者となる人

被保険者の家族は条件を満たせば「被扶養者」として加入できます

健康保険は被保険者だけでなく、その扶養家族も条件を満たして健保組合の認定を受けることで「被扶養者」として給付が受けられます。被扶養者となるには「親族の範囲」と「収入の条件」をともに満たすことが必要です。なお、加人の際は被保険者(本人)からの申請手続きが必要です。

※75歳以上の人は後期高齢者医療制度に加入するため被扶養者にはなれません。加入後に後期高齢者となった場合は、加入資格を失います。なお、被保険者(本人)が後期高齢者となったとき、その被扶養者(家族)は年齢に関係なく加入資格を失います。

被扶養者となる条件

※被扶養者の申請に関する条件・提出書類などについては申請理由によって異なるため、詳しくはトプコン健保までお尋ねください。

国内居住の要件

被扶養者になれるのは原則として国内に居住しており、国内に住民票がある人になります。

国内に生活の基礎があると認められる場合

海外留学や被保険者の海外赴任への同行、ボランティア活動などによる一時的な海外への渡航など、国内に生活の基礎があると認められる事情がある場合は、国内に住所がなくても例外的に被扶養者になることができます。

外国籍の人の例外

外国籍の人は、国内に住所がある場合でも、日本への滞在目的(ビザ)が医療を受ける目的(その人の日常生活の世話をする人も)の場合や1年未満の観光・保養などの目的の場合には被扶養者になれません。

親族の範囲

被扶養者になれるのは被保険者から見て三親等内の親族に含まれている人に限られます。

三親等内の親族図

収入の条件

被扶養者になれるのは主として被保険者の収入で生計を維持しており、収入が基準を満たしている場合に限られます。

被保険者と同居している場合

年収130万円未満で被保険者の年収の2分の1未満

 被保険者と別居している場合

年収130万円未満で被保険者からの送金額より少ない

※60歳以上または障害年金の受給者では、収入額の基準がそれぞれ180万円未満となります。
その他

収入の多い少ないにかかわらず、他の健保の被保険者資格を持っていないこと。

優先扶養義務

被保険者以外の優先扶養義務者が他にいないこと、 もしくは被保険者以外の優先扶養義務者がいる場合は、優先扶養義務者に扶養能力がなく被保険者が扶養せざるを得ない理由が必要です。

<優先扶養義務者の例>
・母の場合は、その配偶者である「父」
・兄弟姉妹の場合は、親である「両親」

夫婦共働きの場合

1.年間収入(過去、現時点、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだもの)が多いほうの被扶養者とします。

2.夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合、主として生計を維持する者の被扶養者とします。

生計維持関係

被保険者は、その家族を経済的に主として扶養していなければいけません。申請対象者世帯の収入より多い金額かつ、申請対象者がその送金で生活できる金額を毎月定期的に被保険者が仕送りする必要があります。ただし被保険者の単身赴任による別居や23歳以下の学生(全日制)が就学のために別居する場合などは仕送りは不要です。

仕送りの際は、銀行や郵便局等の公的機関を利用し、日付、金額、送金人、受取人が確認できる方法で仕送りしてください。 被扶養者がどんなに近隣にお住まいでも手渡しによる仕送りは認められません。 仕送り証明書(振込利用明細等)は廃棄せず2年間は大切に保管してください。

認定後の資格調査

被扶養者資格認定後必要が生じれば、定期的または随時被保険者に対して、必要書類等の提出を求めます。仕送り等の記録(証明書類)は、必ず2年間は保管してください。定期または随時の調査の結果、被扶養者資格がないと判定された場合は、被保険者に対しその旨通告し、被扶養者資格が失われたと判定された日に遡って削除します。
ただし故意または悪意による虚偽の記載あるいは申し立てがあった場合は、被扶養者資格を付与した日に遡って削除します。また、当該期間にわたって発生した医療費の全額及びその他給付金を過去に遡及し返還しなくてはなりません。

被扶養者でなくなるとき

就職や収入額の変化により条件から外れる場合があります

下記の条件に該当し、被扶養者でなくなった場合はすみやかに健保組合への手続きが必要です。健保組合では、定期的に被扶養者の資格を確認するための調査を行います。

被扶養者資格から外れるとき

・就職や独立などにより被保険者として健康保険に加入したとき

・収入が増額し、収入条件の範囲を超えたとき

・被保険者と離婚し、親族の範囲から外れたとき

・被保険者が死亡したとき

事業主の証明による被扶養者認定の円滑化(「年収の壁」対応)

健康保険の被扶養者には年収の要件が定められています。この要件が「年収の壁」になり、人手不足で仕事があるのに、被扶養者の資格を維持するための目的で働くことができない場合があることが指摘されています。

その「年収の壁」対策として、パート・アルバイト等で働く被扶養者が、被扶養者の収入要件を超える一時的な収入増があった場合でも、継続して被扶養者になることができる仕組みが導入されました。

該当する場合には被扶養者資格の確認の際に、被扶養者の勤務先の事業主に「人手不足で労働時間を延長して一時的に収入が増えた」という証明書を作成してもらって提出していただくことにより、被扶養者の資格を失うことなく、引き続き被扶養者として健康保険の給付を受けることができます。

より詳しい制度の概要などについては厚生労働省のWEBサイトでご確認ください。

年収の壁・支援強化パッケージ(厚生労働省) 
事業主の証明による被扶養者認定に関するQ&A(PDF)
事業主証明様式(PDF)

注意事項

●勤務先の健康保険に被保険者として加入する場合には、収入や勤務時間等に関係なく被扶養者にはなれません。

●この制度の対象は「人手不足で働く日数が多くなった」「残業時間が増えた」などのケースが該当します。基本給が上がった場合や手当が新設されたなど、今後も引き続き収入が増えることが確実な場合においては、一時期的な収入増加とは認められないため対象外です。

●フリーランスや自営業の人など、特定の勤務先に雇用されていない場合は対象外です。

●あくまで一時的な収入増に対応するためのものですので、この制度の対象になるのは原則として連続2年間までです。